アメリカの学校のPTA活動を見習いたい点がたくさん!日本の学校のPTA活動との大きな違い




こんにちは。

夫のアメリカ駐在のため2016年から期間限定のアメリカ生活を送っています。

子供達はエレメンタリースクール(小学校)、キンダーガーデン(年長)に通っており、今年は2年目です。ちなみに、州によって違いますが、キンダーガーデン(日本でいう幼稚園年長)から義務教育となります。

子供達は、日本でも私立の幼稚園に通い、上の子は入園卒園し、小学校も少しだけ通い、私自身も子供が幼稚園の時はPTA役員も一年間しました。下の子は幼稚園入園、途中で退園となりアメリカにてプレスクールに入り、キンダーガーデンに進みました。

日本での幼稚園でのPTAでは、例のごとく緊張感あふれる役員決めがありました。実際は、役員をやることで幼稚園の流れが分かったり、先生や子供達とのふれあいもあったので得た経験も大変大きかったですが、それと比例して幼稚園に費やした時間もたくさんありました。やはり役員の一年は大変です。

アメリカ駐在生活で、子供達がアメリカ現地校に通うようになって、アメリカの学校のPTOと日本の学校のPTAとの大きな違いを発見しました。

「アメリカのPTOってなんて素晴らしいんだ!!」

というのが結論です。

日本のPTA、とても大変で効率の悪いシステムが残りすぎだと正直思いました。

この記事では、アメリカの学校の「PTO」(Parent Teacher Organization)でのについてご紹介していきたいと思います。

まず、アメリカのPTAとPTOとは?

アメリカには「PTA」と「PTO」という名の2つの団体があり、PTAとPTOでは、活動内容が異なります。

PTA(Parent Teacher Association)

 全米の非営利団体。この団体に加盟している各地域の団体がPTAの名称で活動。

PTO(Parent Teacher Organization)

 それぞれの学校で独立した保護者によるボランティア団体。全米PTA団体には未加盟。

保護者による学校ボランティアのうち、PTAによる活動は25%であり、その他の75%はPTOによるものです。

アメリカのPTO・PTAは、保護者のボランティア活動がアメリカの学校で非常に重要な位置を占めています。

日本PTAとアメリカPTOはボランティア精神が最大の違い

 

アメリカのPTOは、ボランティア精神に基づき「PTO活動は、やりたい人がやる」が基本です。

 

ただ、日本でそれを取り入れると、「だれも何もしないのではないかという不安」がよぎりませんか。

日本のPTAは、役員になったらたくさんの仕事があり、人間関係も面倒だから出来るだけ自分は関わりたくないと思っている親が多いので。

 

しかし、アメリカでは、だれも参加しないということは、まず、ないんですね。

理由は、①アメリカはキリスト教大国であるという事実から、「ボランティア精神」が非常に高い国であり、「困っている人がいたら自主的に助ける」ということを自然にさらっとする人がとても多いからです。

そして、②アメリカの学校は「地域の人々と、親達で協力して作っていく」という姿勢が強く、特に親たちのほとんどが「自分の子供達のために出来ることで最大に協力していこう!!」という考えなんです。

そう、③母親・父親共に積極的に学校に関わっていきます。

これらが日本との大きな大きな違いです。

日本のように、毎年強制的にPTA会長やクラス役員を決めたり、児童一人につき一回は役員をするとか、押し付けあったり、肩身の狭い思いをするような強制的としか思えないような規定もありません。

例えば、PTA加入について

日本 ⇒ 任意参加であるにもかかわらず、基本的に全員参加(参加しないとかありえない雰囲気)

アメリカ ⇒ 全員加入を推奨されていますが、基本的には自由。入っていなくても気が引けることもなく、不自由はなし。

この時点で、大きく違います。

アメリカでのPTO加入は本当に自由であり、加入しなくても居心地が悪かったり、後ろ指をさされたりなど一切ありません。完全に自主性に任されており、義務的な要素が全くありません。

また、PTOに加入しているかどうかもPTO会長などと親しくない限り、誰が加入しているかも一般的にわかりません。

そして加入していなくてもPTOのホームページも閲覧できますし、参加したいボランティアには普通に申込ができ、参加できます。

アメリカのPTOでは、「自分ができること、得意なことで参加する」しかも「積極的な親が多い」のです。

アメリカのPTOは仕事が楽で合理的!

日本のPTAは、役員になると本当に細かくたくさんの仕事がありますよね。

月の定例会はもちろん、広報物の制作・配付、運動会など行事毎の防犯や手伝い、定期的にある保護者会の企画・運営、登下校の見守りの旗当番。もっともっとありますし、役員じゃなくても、例えば、クラス全員の親は強制的に全員交代で登下校の旗当番をしないといけない、という決まりがたくさんあります。

ここに書くだけで、うわーしんどそう。仕事してたら勘弁してほしい。という自分の心の声が聞こえてきます。みなさんはどう感じますか?

一方、アメリカのPTOはどんな感じでしょう?

とにかく、ややこしい役員の仕事はなく、合理的でシンプル、初めての人でも出来る内容になっているのです。

PTO会長などは、たくさんの仕事があると思いますが、クラス役員は、年に数回のお楽しみ会の企画・運営だけ、などの例もあります。

アメリカの学校では、PTO団体側は加入・参加のメリット・デメリットを保護者に提示し、納得した保護者が加入するという、シビアな一面とボランティア精神とのバランスが非常にうまくとれている関係です。

日本のように手間のかかる仕事が山盛りだと、アメリカ人ははっきりと断るでしょう。

PTOに参加しても、シンプルで合理的で初めての人も負担なくできる仕事であり、自分たちの子供達にとってもたくさんのメリットがあるとなれば、自主的に参加する人が多いというもの納得ですよね。

クラス役員とは別に、各クラス担任別のボランティアもありますが、長くなるので別記事にてご紹介しますね。

アメリカのPTO 各教室でのボランティアについて 

2017年12月16日

アメリカPTOの一番重要な目的は?

ずばり、「学校のために資金を調達すること」です。

集めた資金は、教育に必要な物の購入やなど直接生徒たちに役立つ使い方をされます

ですから、資金があればより良い教育を自分の子供達が受けれるということなんです。

役員として手が貸せなくても、定期的にある募金活動で募金をしたり、イベントに参加してチケットや子供達の作品、食べ物を購入したりすることがで、PTOへのドネーション(寄付)となり貢献できます。

日本のように、「一口いくらの寄付をお願いします」という堅苦しい形より、もっとカジュアルな形で寄付を募ります。

例えば、ハロウィーンの時期だったら、子供達が作った作品を子供達からもらうフリーチケットで購入し、子供達は自分たちの作った物を売る体験ができるイベントがあり、そのイベントの時に学習に必要なものを買うためのドネーション(寄付)をしてくださいねといった感じでイベントと寄付が一緒になっています。

このようなイベントが年に数回行われ、全然行かなくてもいいし、全部参加してもよい。選択は個人に任されています。そして、多くの親が積極的に参加するのがアメリカの非常に良いところなんです。

また、このようなイベントは学校が終わってからの夕方から開催されることが多く、わざわざ仕事を休んで行かなければいけないということもありません。

ちなみに、多くのアメリカ人は家族と過ごす時間を非常に大切にするので、サラリーマンでも自営業でもお父さんとお母さんが一緒にイベントに参加する姿が多くみられます。

とってもすばらしいことだと思います。

日本だと、母親が仕事を切り上げて参加するという映像が浮かんできます。

まだまだ日本では子育ては母親の役目という、漠然とした社会の目を感じてしまってなりません。

日本のPTAもどんどん改革をしてほしい

アメリカのPTO活動を見て、日本もどんどん改革をしていってほしいなと心底思います。

日本から海外に出てみて、「PTAって大変なのが普通」「大変だけどしなくちゃいけないものだから、仕方ない」という固定観念にとらわれていた自分にもびっくりしました。

日本とアメリカの文化の違いや国民性の違いなどがありますので、すべてをアメリカのPTOに右に習え!!といっているのではなく、「もっと良くなる方向があるのではないか?」という視点で変わっていってほしい。

合理的にシンプルにを念頭において、PTA活動を見直すだけでも、大きく違ってくるはずです。

今の日本は、たくさんの細かい決まり事があります。

それも結局のところ他人を気にするあまり、マニュアルを作ったり、変に平等にしてみたり、特に主婦として、母としての立場でも生きにくい場面が多いなと思います。

決まりが細かくたくさんありすぎると、ギスギスしていきます。

あの人は守ってない、それはおかしい。あの人はしてないのに、なぜ自分だけしないとだめなのかなど、決まりを守らない人とそれをチェックする小姑のような人がでてきます。

もっと、自己責任のもとにどうでもよいことと必要なことを真剣に選り分けていくべきです。

そして、学校側も基本的には、初めてする人でもできることをPTOにお願いし、どんな人でも気軽るに参加できるように変更していく。

保護者側も人任せにしたり、自分の意見ばかり通したり、先生や学校に文句を言うのではなく、同じ学校に通う子供達を自分の子供を見守るように見ていこう、自分には何ができるのか?という気持ちを持ち、実行していかねばなりません。

東京オリンピック開催に向け、「おもてなしの国、日本」とか言っていますが、そんなことより、まず自分たちの住む地域の自分たちの子供が通う学校に、自主的に自分のできることで貢献していけるようにならなくては、外国人におもてなしなんでできないですね。

自分が本帰国し、学校の役員をすることがあれば、色々と提案していこうと思っている今日この頃です。

みなさんはどう思われますか?

 




2 件のコメント

  • はじめまして。小学5年、3年、年長の子どもがあり、夫の仕事の関係で、夫が今月、私と子どもたちは数ヶ月後に渡米を控えています。
    こちらのブログは最近の情報が詳しく書かれていて、とても参考になります。
    中でもこの記事は、幼稚園と小学校でPTA役員をやったこともあり、とても共感する内容でした。
    これからも更新を楽しみにしています。有益な情報、本当にありがとうございます。

    • いずみさま
      はじめまして。ブログをお読みいただき、ありがとうございます。いずみさまも学校で役員を経験されていらっしゃるのですね。日本のPTA活動、もっと良い方向に変化してほしいなと思ってなりません。アメリカの学校事情は、まだまだ書きたいことがたくさんありますので、そう言っていただけるととてもうれしいです。もうすぐ渡米されるのですね。準備などもたくさんあり大変ですが、どうぞ体調をくずされないようお気をつけくださいね。
      ありがとうございました。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    はじめまして。 2016年から夫のアメリカ転勤に伴い、アメリカの地で子育てしながら駐在妻生活を送っています。 「やってみないと気が済まない」 「好奇心旺盛・面白いこと大好き」 「人が好き」 「だからこそ、一人時間が大切」 「時に超慎重」 アメリカの生活で、妻として、二人の子供の母として、また日本人女性としてどうありたいか。 異国でのサバイバルな経験をこれから駐在妻として来られる方、また現在アメリカで駐在妻として生活している方、世界の駐在妻の方に楽しいことも、辛いことも、リアルな情報をお伝えしていきます! 異国にきたからこそ、強い意志をもって自分らしく生きなきゃ損です。 全てをすばらしい経験にするために。