こんにちは。
夫のアメリカ転勤に伴い2016年からアメリカで駐在妻として生活しています。
この「駐在妻」という表現、昔から使われていますが、色々なイメージが付きまとうせいか、なんとなく特殊な表現として、私の中で違和感と共に存在しています。
そこで、今更ですが「駐在妻とは」というキーワードで検索してみました。
以下が駐在妻の説明です。
駐在妻 読み方:ちゅうざいづま
別表記:駐妻 駐在員の妻という意味で用いられる通俗的な言い方。もっぱら外国に駐在する会社員の妻を指す場合が多い。夫に帯同される場合、土地を移り一定期間そこで生活することになり、独特の悩みがつきまとう。 Weblio辞書より抜粋
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とても端的に分かりやすく説明されていますね。
こんなに分かりやすい「駐在妻」という言葉の説明文ですが、夫の転勤という理由で「駐在妻」として島国日本を離れて海外で生活することとなる日本人女性は、実際は、一言では言い表せない不安やストレス、心配事を抱えながら、それでも自ら奮い立たせて前を向いて邁進しているのです。
この記事では、周りが持つ「駐在妻」のイメージやリアルな実情を少しご紹介したいと思います。
駐在妻ってどんなイメージですか?
駐在妻というイメージ、どんなものがありますか?
例えば、
・メイドさん、個人運転手がいて優雅な海外生活を送っている。 ・駐在妻同士、日本人ばかりで群れている。 ・ランチにショッピング三昧。 ・狭い日本人駐在妻のグループでのヒエラルキーがあり、息苦しそう。 ・会社からの海外赴任手当などで、日本にいるより贅沢な生活環境のため、自分がセレブだと勘違いしている人が多い。 ・海外転勤ができる夫の妻としての勝ち組感が強い。 ・何年も海外に住むのに英語や現地の言葉をしゃべれない。 ・噂話ばかりしている。 |
こんなところでしょうか?
駐在妻のイメージを検索でみ調べてみても、周りの人の反応を見ても、そういうイメージはあるようです。
しかし、誤解のないようにお伝えしたいのですが、たまにはこのような駐在妻の方もいらっしゃるかもしれませんが、現在は少ないかと思います。
昔のバブル時代のイメージを現在に引きずっているように感じます。
駐在妻の実態は?
メイド付き、運転手付きの優雅な生活を送っている
というイメージについてですが、メイドさん、運転手さん付きは、アジア圏やインドなどの中東での駐在妻の方の環境です。
アジアでは海外の企業はメイドや運転手を雇う義務があったり、治安面で必要不可欠であったり、一人で外出が許されていなかったりという理由が多いです。
通勤ルートを定期的に変えたり、駐在員もその妻もプライベートでの外出できないなど、治安の悪さからの縛りもあり、自由がないと息苦しくなることも多々あるのです。
また、メイドさんが物を盗んだり、壊したりしても平気な顔をしていることもあるようで、駐在妻のストレスもありますから、一概にはパラダイスであるとは言えないようです。
もちろん、リゾートのような生活を送れる人もいるでしょう。タイやインドネシアなど物価が安いので優雅な生活も実在すると思いますが、危険手当に相当すると私は理解しています。
私の場合はアメリカ駐在ですので、メイドさんも運転手さんもいません。
自分で運転して買い物にも行きますし、家事も自分でします。
初めは、タイなどの駐在妻の方がうらやましいと思いましたが、今となっては不便もありますが、自分で自由に外出でき、アメリカの平和な自然豊かな田舎で、幼い子供達を育てられることに感謝しています。
また、現地の言葉が英語なので、子供も大人も英語だけ勉強すればよいので、その点でも気持ちが楽です。
駐在妻同時、日本人ばかりで群れていてランチにショッピング三昧。噂話ばかりしている。狭い日本人駐在妻のグループでのヒエラルキーがあり、息苦しそう。
私も実際にアメリカ駐在に行くまでは、そんなイメージがありましたが、こればかりは、その駐在妻コミュニティーの雰囲気や伝統などによると思います。
私の場合は、田舎で駐在妻も少なく、たまたま気の合う人達で、距離感もほどよくとってお付き合いできる環境です。
昔は定期的な奥様会や色々な決まりがあったようですが、最近の異動で決まりが自然と少なくなり、集まりたい時に集まり、無理に参加しなくても全然問題ないという、大変風通しのよい環境です。
同じアメリカでも違う州にいる友人や他の会社の駐在妻の方の話を聞いたりしていると、人数も多く色々あるのは事実です。
駐在妻とは、「海外赴任に帯同する駐在員の妻」ですので、自分の意志や希望で海外生活を選んだわけではありません。
もちろん、海外生活を夢みて海外赴任がある人と結婚したという奥様もいらっしゃるでしょう。
しかし、大半の駐在妻の方は、急な海外赴任を受け入れ帯同すると決心し、たくさんの犠牲を払って海外に引っ越ししています。
仕事を辞めて帯同している方などは、かなりの犠牲を払っていると思います。
また、現状では駐在妻は現地で仕事ができないことが多く、時間を持て余すことは間違いないのです。
ですから、言葉の通じない外国で、ストレスなく日本語で話ができる相手は、初めは必然的に同じ会社の「駐在妻」となります。
人数が多い場合は特に、昔からの慣例で週一回の持ち寄りランチ会や、グループでの英会話、歓送迎会など、情報交換や交流を継続させるための行事が存在します。
同じ会社で、それぞれ役職が違う夫の妻が集まるという閉鎖的な環境で、なんとかうまく駐在生活を送れるようにという配慮からだと思いますが、その取り決めが時代に合ってなかったり、気に入らない人も出てくることは大いにあります。
想像してみてください。30人駐在妻がいたら、学生時代でいうと2クラスの女子が集まっているんですよ。しかも年齢もバラバラで。
駐在妻の共通点は、「夫の転勤でたまたま同じ場所で駐在妻として生活をする」というだけです。
バックグランドも違えば、考え方も違って当然です。
ですから、日本人の狭いコミュニティーでの人間関係に疲れ、苦しむ人も必ず存在します。
日本国内でも、同じ社宅に上司と部下の奥さんが住んでいて気を使わないわけがないですね。
誰か一人でも、雰囲気を良い方向に持っていける人がいれば、より快適な方向に進みますが、人数が多い時点で、気の合うグループ、気の合わない人が出てくるのは仕方のないことです。
この場合に、いかにそれぞれが大人な対応が取れるかが重要になると思います。
ご主人の立場を考えると、多少気が向かなくてもある程度のお付き合いや気遣いは必要だと思います。
また、
どうしても変えたい慣習があるなら、上手に提案して現状に合うものに少しづつ変えていけばよいと思います。
実際、私たちも駐在妻のお友達と色々見直し、現在の駐在生活にあった内容に改善しました。
個人的には、駐在生活に慣れてきたら、現地のお友達を作って世界を広げていくことをおススメします。英語が下手でも構いません。まずは、「親しくなりたい!」という気持ちを伝えれば、相手もこちらを理解しようとしてくれますよ。
例えば、アメリカであれば現地の人と結婚している日本人妻や、駐在ではなくアメリカで仕事をしている夫婦や日本人妻と知り合う機会があれば、新しい風が吹き、閉塞感が緩和されます。駐在妻の方は、自分のペースをしっかり保って、居心地のよい場所を作っていかれるといいと思います。
会社からの海外赴任手当などで、日本にいるより贅沢な生活環境のため、自分がセレブだと勘違いしている人が多い。海外転勤ができる夫の妻としての勝ち組感が強い。
これは、夫の会社の奥様達からは感じません。昔は海外赴任になったら家が建つといわれた時代がありましたが、その頃に比べると、どの企業も経費削減をしているはずです。
もちろん、海外生活なので色々な犠牲を払うわけですから、海外手当などは当然ありますが、セレブのような生活というのは、ごくごく一部の駐在妻や、アジアの国の駐在妻だけではないでしょうか?
海外転勤ができる夫の妻としての勝ち組感が強い。というフレーズを書いているだけで気持ち悪くなるのですが、実際そう思っている人にも出会ったことがあるので、一概に否定はできません。
その駐在妻のご主人はすごいかもしれませんが、そのように考える奥様のレベルはどうかと思います。
やはり、現実を見て地に足をつけて考え、行動するべきですね。
何年も海外に住むのに英語や現地の言葉をしゃべれない。
すみません!!!
私もアメリカに駐在が決まったときに、アメリカに行けばそこで生活するわけだし、誰でも英語を喋れるようになる!と思っていました。
渡米してすぐに、なんと、浅はかな考えであったかと思い知らされました。
ただ、住んで生活するだけでは、絶対に英語はペラペラ喋れません。
当然ですが、英語も他の国の言葉もしっかりと勉強しなければ喋れるようになんてなりません。
子供達が、アメリカ現地校やインターナショナルスクールでペラペラと外国語を喋れるようになるのとは、訳が違います。
彼らにとって英語や外国語をしゃべれないということは、現地で生活していくうえで死活問題です。
まさにサバイバル、必死です。
しかし、なんと駐在妻はたいした英語がしゃべれなくても生きていけるのです。
毎日、英語で仕事をするわけでもなく、学校があるわけでもなく、家から出なければ英語に触れることすらない。
でも、なぜせっかく海外に来たのに、英語を習得しようとしないんだ!!って憤慨される方も多いと思います。
しかし、先ほども書いたように、ほとんどの駐在妻は夫の都合で海外で生活をするのです。
もともと英語や語学が達者な方、英語が好きな方にはパラダイスですが、とりわけ英語が好きではない、好きだけどそんなに喋れない人にとっては、慣れない土地で、夫や子供の世話、日本人駐在妻とのお付き合いなど、家族のために優先すること、気を遣うことがたくさんあります。
それを押しのけてまで、英語を勉強したい、または英語を勉強できる環境を持てる という人は一部なんです。
アメリカにきて、初めの一年は自分の英語より、いかに早く現地の生活に慣れ、ペースを作るかに必死です。
そのあとは、個人でどれだけ興味をもって英語や外国語に取り組むか。というだけの話なんです。
ですから、そこは駐在妻を責めないでくださいとお願いします。。
ただ、駐在妻も最低限は現地の人とスムーズにコミュニケーションをとるために英語や外国語を学ぶべきであるとは思っています。
私自身、英語が好きなはずなんですが、まだまだ真剣に英語に向き合えていません。
アメリカ人の友人ともっと色々話をしたいので、緩くても英語の勉強は継続するつもりです。
現実のところ、駐在妻は夫や子供を人質にとられている状況なのです
ここまで駐在妻のリアルな現状をお話ししてくると、見えてくるのが、日本人の狭いコミュニティーの中で、夫の会社のつながりがある奥様達と、数年の間駐在生活をするということは、「夫や子供が人質にとられている」、また「駐在妻が人質となっている」という図が出来上がりますね。
自分が選んだ友人やコミュニティーであれば、不満があったら意見を言うのもそんなに気が引けないでしょう。
しかし、夫の仕事の都合を優先して帯同して海外生活をしている妻として、自分の身勝手な行動が思わぬ方向に行くことがあるので、狭い日本人の世界で、特に夫と同じ会社の駐在妻に対して、夫の会社での立場を気にするあまり言いたいことがあっても我慢背ざる負えない、息苦しさを感じることがあると思います。
今のところ、私自身は大変気分よく駐在妻生活をさせていただいています。
それは、
私だけの努力ではなく、同じ駐在妻のみなさんがそれぞれに「親しき仲にも礼儀あり」という姿勢を意識して生活しているからこそ、だと思います。
また、「駐在妻」の色々なイメージが実際の駐在妻の現状を少しでも知っていただくことで、駐在妻はパラダイスというわけではないということも少しは伝わったかと思います。
ボランティアやお稽古・勉強などやりがいを見つけ楽しく積極的に満喫している駐在妻も、必死に頑張っています。
また、現地の生活がどうしても合わなくて苦しんでいる駐在妻や、日本人同士の人間関係に悩む駐在妻も同時にいらっしゃいます。
「駐在妻」への昔のイメージや、偏見が少しでも減ればうれしいです。
駐在妻自身も人と比べて根拠のない優越感に浸ったりせず、地に足をつけて、自分の置かれた条件下でベストを尽くすことは、海外でも日本でも同じであるということを肝に銘じて、充実した生活を送っていくことが、非常に大切であるということです。
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